実はアルツハイマー型認知症とも関係がある歯周病について

ご飯を食べたか忘れてしまった男性

9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。
この日は「国際アルツハイマー病協会」(ADI)が、世界保健機関(WHO)と共同で「世界アルツハイマーデー」に制定しました。

今回は、「アルツハイマー型認知症」と「歯周病」との関係についてお話しします。

アルツハイマー型認知症とは?

アルツハイマー型認知症は、認知症のなかで最も発症割合が高く、記憶力・判断力に悪影響を及ぼす病気です。
主に65歳以上の高齢の方が発症し、徐々に症状が進行していくのが特徴です。
初期段階では、物忘れが増えたり、物事の順序を考えたり判断したりすることが難しくなったりします。進行すると、人や場所がわからなくなり、日常生活を送ることも難しくなります。

アルツハイマー型認知症は、「アミロイドβ」や「タウタンパク」といったたんぱく質が、脳に異常に蓄積することで発症するといわれています。
しかし、これらのたんぱく質が脳に蓄積するメカニズムについては、まだはっきりとわかっていません。

アルツハイマー型認知症と歯周病の関係

歯周病は日本人が歯を失う最も多い原因であり、30代以上の約80%が歯周病、もしくはその予備軍といわれています。
また、心筋梗塞や脳梗塞など、重い全身疾患を引き起こす可能性があることでも知られています。さらに近年の研究では、アルツハイマー型認知症とも関係があることが明らかになってきました。

九州大学のマウスを用いた研究では、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因とされる「アミロイドβ」の生成・蓄積を促進していることが明らかになりました。
この研究結果は、歯周病はアルツハイマー型認知症を悪化させる原因のひとつであるということを示しています。
ただし、歯周病だからといってすぐにアルツハイマー型認知症になるわけではありません。
アミロイドβは長い年月をかけて脳内に蓄積し、認知症を引き起こします。
そのため、早いうちから歯周病ケアをはじめ、アミロイドβの生成や蓄積をできるだけ防ぐことが大切です。

歯周病予防のためにできること

歯周病は、歯周病菌という細菌によって引き起こされる病気です。その原因は、「お口の環境」「生活習慣」「全身の状態」などさまざまです。
歯周病を予防するためには、歯みがきでプラーク(歯垢)や歯周病菌をしっかり取り除くことが大切です。
ただし、歯ブラシだけでは全体の約60%しか汚れを落とせないといわれています。特に奥歯や歯と歯の間のプラークは落としにくいため、デンタルフロスや歯間ブラシを活用し、丁寧なセルフケアを心掛けましょう。

まとめ

歯周病はアルツハイマー型認知症だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などの重い全身疾患の原因にもなります。早いうちから歯周病ケアを行い、これらの病気を予防しましょう。
また、毎日のセルフケアだけでなく、歯科医院の定期的な受診による病気の早期発見・治療も大切です。
当院では、定期検診やクリーニングなどの予防歯科から治療まで幅広く対応し、皆さまのお口の健康をサポートしています。どうぞお気軽にご来院ください。

初診WEB予約

足立区・葛飾区で歯科医院をお探しなら、千代田線綾瀬駅東口より徒歩1分の綾瀬デンタルクリニックへ。土、祝日も診療です。
お口のお悩みや、外出が難しい方の歯科治療については「綾瀬デンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。