歯1本の損失がもたらす影響、健康長寿を守るためにできること

歯1本の損失がもたらす影響

こんにちは。
綾瀬デンタルクリニック、院長の髙橋です。

「たかが歯1本ぐらい」「問題なく噛めるから、時間ができたら歯科医院に行こう」と思って、抜けた歯をそのまま放置していませんか?実は、歯が抜けた状態を放置することは、皆さまが思っている以上に大きなリスクを伴います。
今回は、歯が1本ないだけで引き起こされるさまざまな悪影響についてお話しします。

噛む力の低下と食生活への影響

歯を失うと噛む力が大きく低下します。
特に、6番目や7番目の奥歯(大臼歯)は食べ物をすり潰す力を担う重要な歯で、これらの歯を1本失うと、噛む力が30%も落ちるといわれています。奥歯がなくなることで食事中の咀しゃくが困難になり、消化に負担がかかるだけでなく、栄養摂取の面でも影響が出る場合もあります。
適切に噛めないと、偏った食事になりがちで、健康維持が難しくなります。

見た目や発音への影響

前歯が抜けた場合、その影響は見た目だけにとどまりません。
歯がないことで、会話で息が漏れやすくなり、発音が不明瞭になることもあります。例えば、「さ」「た」「し」といった音は前歯で息を受け止めながら発音されますが、歯がないと音が不明瞭になりやすいです。

1本の歯の損失が他の歯や噛み合わせに及ぼす影響

歯はお互いに支え合って噛み合わせを維持しています。そのため、1本でも歯を失った状態で放置すると、隣り合う健康な歯が少しずつ傾いてしまいます。さらに、反対側の歯が抜けた部分に伸びてくる「挺出(ていしゅつ)」と呼ばれる現象も生じるため、全体の噛み合わせが乱れる恐れもあります。

認知症リスクや全身への影響

歯を失うことで噛む力が弱くなると、実は脳の健康にも悪影響を及ぼします。
噛むことによって脳が刺激されるため、噛む力が弱まると脳への刺激が減り、認知機能の低下を引き起こしやすくなります。ある調査では、噛む力が低下することで認知症リスクが最大1.9倍に増加することが報告されています。
また、噛む力の低下は栄養バランスを乱し、全身の健康にも悪影響を及ぼすため、健康寿命を縮める原因にもなり得ます。

健康のために今からできること

歯の損失を放置することは、見た目や噛み合わせ、発音だけでなく、お口の健康から全身の健康にまで影響を与える可能性があります。日々の歯みがきや定期的な歯科医院での検診を欠かさないことが大切です。

もしも歯を失った場合には、早めに歯科医院での治療を受け、ブリッジや入れ歯などの補完を検討しましょう。当院では、患者さま一人ひとりの口腔内の状態に応じた最適な治療法をご提案し、健康な噛み合わせの維持をサポートいたします。

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